第26回成人のためのてんかん診療フォーラムに参加しました

令和6年10月19日、第26回成人のためのてんかん診療フォーラムに参加しました。

特別講演1「高齢者てんかんの特徴と治療」名古屋大学医学部附属病院 検査部 鈴木 将史先生

日本では高齢てんかん患者が増加しており、有病率は全体の1%にのぼるそうです。
原因は血管障害・認知症が主で、その他に頭部外傷・感染症などありますが、半分は原因不明だそうです。側頭葉てんかんの割合が最も多く、症状として口部自動症(口をくちゃくちゃする、唇を突き出すなど)、歩行自動症(動き回る)、意識減損などがあげられます。意識レベルの微小な前兆が多く、見逃しやすいため発作の動画を記録するなど周囲のサポートが必要不可欠とのことでした。
また、脳卒中や認知症はうつ病のリスクを増大させる可能性が高く、精神症状や発作の種類によって使用する薬剤を慎重に検討していくことが重要だと改めて確認することができました。

特別講演2「てんかん診療に必要な診断書の実際」わかやま友田町クリニック 院長 辻 富基美先生

治療において必要不可欠な診断書について、ひな形を用いながら丁寧に説明していただきました。
精神科では自立支援制度や精神障害者保健福祉手帳はもちろん、障害福祉サービスなど多岐にわたって診断書を作成する機会があります。患者さんが求めているサービスや制度を診察の中でくみ取れるよう、会話のキャッチボールを大事にしていると話されていたのが印象的でした。
医師だけでなく職員も診断書がどういった流れや意図で申請されるのかを把握することで、ケースワーカーや地域の支援センターと上手く連携し、スムーズに手続きを行うことが出来ます。当院でも積極的に福祉サービスを勉強する機会を作っていきたいと思います。