不眠症治療薬スボレキサントの勉強会を開催しました。
令和4年9月26日、福智クリニック医局にて不眠症治療薬スボレキサントの勉強会を行いました。勉強会では、下記のオンライン講演を聞かせていただきました。
奈良県立医科大学 精神医学講座 准教授 牧之段 学 先生
「発達障害の不眠症~オレキシンの役割を再考する~」
自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)は不眠症を合併することが多く、その合併率は、自閉症スペクトラム障害(ASD)では50~80%、注意欠陥多動性障害(ADHD)では、25~50%だそうです。
不眠症とは「寝つきが悪い(入眠困難)」、「夜中によく目が覚める(中途覚醒)」、「朝早く目が覚める(早朝覚醒)」などの症状が続き、日中の眠気、注意力の低下、不安やイライラなどといった様々な体調不良が起こる状態を指します。
不眠症治療薬スボレキサントは、覚醒状態の維持に関わるオレキシン受容体へ作用することで寝つきをよくし、眠りを維持する働きがあるそうです。
また不眠症の治療においては、お薬も大切ですが、不眠の原因となる生活習慣を改善することも重要だと話されていました。
生活習慣の改善
以下の一日の流れを参考にして、生活習慣を見直してみましょう。
- 同じ時刻に起床し、朝の光を浴びる。
- 昼寝をするなら午後3時頃までに20~30分程度にする。
- 夕食前後に軽い運動をする。
- 寝室は寝る目的のみに使用する。
- 睡眠中は騒音、光、極端な温度変化を避ける。
これらの工夫をしてみても、うまく睡眠がとれないなどお困りのことがございましたら、診察にてご相談ください。