アリピプラゾールLAI(持続性注射剤)勉強会を行いました。
令和3年12月9日、福智クリニック医局にて「双極性障害におけるアリピプラゾールLAI治療の実践」についてのオンライン勉強会が開催されました。
LAIとは「持続性注射剤」のことです。
アリピプラゾールのLAIは双極性障害、統合失調症の患者さんに使われるものです。欧米に比べ、日本でのLAIの普及率はそれ程高くはなく、LAIよりも内服薬による治療を受けていらっしゃる患者さんの方が多いのが現状です。
しかし内服薬による治療は、毎日の服薬をわずらわしく感じたり、つい飲み忘れたりして、服薬をきちんと継続していくのはなかなか大変なことでもあります。
その点、LAIによる治療であればその「薬を飲みそびれる」といった心配が必要ありません。毎日の服薬に何かしら困っていることがあれば、薬の飲みそびれの心配のないLAIによる治療も選択肢の一つとなります。
LAIを治療に取り入れることで、きちんと診察に行くことができさえすれば、薬を確実に投与することができます。そのため「再発や入院の心配が減る」「病状が安定する」「飲み忘れの心配がなくなる」といったメリット/効果が期待できます。
また、薬を飲む時間を気にしないで活動できることは、就労中の方やこれから就労を目指していこうとする方にとって、大きなメリットとなるようです。
今回の勉強会では、LAIが「注射薬である」ということも議論の一つとなりました。注射薬のため、多少の痛みが伴います。
LAI治療を受けている患者さんからは「思ったより痛くなかった」というフィードバックを頂くこと多いようですが、それでも身体に注射針を入れることに変わりはなく、中には内服薬の方が良いという方もいらっしゃいます。
また、費用面がご心配な方もいらっしゃるのではないかと思います。(自立支援医療が適用されます。)LAI治療は、あくまで患者さんの状態や要望をお聞きした上で導入を検討するものですので、興味や関心のある方は診察にてご相談下さい。
※LAIには他の薬剤もあります。