「医療安全対策講習会」に参加してきました。
- 日 時 :令和2年2月8日(土)午後2時30分~午後4時00分
- 場 所 :鯱城ホール
- 演 題 :医療コミュニケーション~医療安全と医師患者関係改善のために~
- 講 師 :愛知県厚生連安城更生病院 副院長 安藤 哲郎先生
「医療安全対策講習会」に参加してきました。医療安全とは、医療事故や紛争を起こさないための方策とともに、医療事故や紛争が起きた場合の対応策に取り組むことをいいます。
医療安全を確保することは、質のよい医療サービスを提供する上での最重要課題であり、法的にも医療安全管理のための指針を整備することや医療安全管理のための職員研修などが義務付けられています。
日本のある研究によると医療事故は入院患者の2~4%で起きており、その半分が医療ミスだそうです。しかし事故でもミスでもない事案で医療訴訟や紛争が起きており、その要因に事前の信頼関係の有無があるとのことでした。
「医師が目を合わせてくれなかった」「受付の対応が悪かった」「外来で長く待たされた」など日常診療の小さな不快感がきっかけとなり、ささいなミスと不信感が重なり、医療従事者と患者それぞれが持つナラティブ(物語)の相違によってコンフリクト(衝突)が起きてしまう。
その相違を解消するためにはメタ認知(自分自身を客観的に認知する)的な視点を身につけることや、安心感を高めるために、関心の共有・傾聴・共感などの対話を積極的にしていくことが大切であり、そういった姿勢が患者様の満足度の向上や治療効果に良い影響をもたらしていくとのことでした。
また安藤先生は最後に医療安全の目的は、エラーの結果を責めるだけでなく、チームで学び改善していくことであり、心理的安全性(チームのメンバーがそれぞれ不安を抱えることなく自分の考えを自由に発言したり、行動に移したりできる状態)が高いチームを作り上げていくことが医療安全において大事なポイントであるとおっしゃっており、医療従事者として、日々の患者様とのコミュニケーションを再度考えさせられるよい機会となりました。
今回の講演で学んだことを日々の業務に取り入れ、医療安全の徹底と患者様との関係を築いていきたいと思います。